荒野の用心棒のテーマ音楽は、ヨーロッパ発の娯楽西部劇を最も印象づけるシンボルではないでしょうか。ジュリアーノ・ジェンマ、クリント・イーストウッドといった主人公よりも・・・わたしがエアチェックしたカセットテープには、『エンリオ・モリコーネ』と書いてあります。曲紹介の聞き取り誤りですね。今日、11月10日は『エンニオ・モリコーネ(1928〜)』氏の誕生日です。
眼光鋭く、エンターテイナーとしてよりアーティスト然としているエンニオ・モリコーネ氏は、映画音楽の作曲家としてよりも現代音楽の作曲家と観られる方が喜んでくれるでしょうから、こうした写真の方がふさわしいのではないかしら。
「映画音楽の作曲家として有名であることに不満はないが、私は演奏会用の音楽も書いている。誰もそのことを知らないのは残念だ…」と、モリコーネ氏の言葉にあるように映画音楽と現代音楽を並行して作品化しています。荒野の用心棒 [ 1964 ] 、夕陽のガンマンなど以上に、映画のための仕事だけでも400作品を越えるそうです。殆どがイタリアの映画作品での仕事なので、知られていない事がモリコーネ氏のジレンマではないでしょうか。
しかし、『ニュー・シネマ・パラダイス』[ 1988 ] は良いお仕事でした。他の映画音楽に似たフレーズがあるけれども、そこがモリコーネ・サウンドの1つの主題であったという事でしょう。突然変異の音楽作品ではなかったのです。