弥次さん喜多さん。或いは、八っつあん熊さんといったニュアンスがあるのでしょうか、トムとジェリーと言えばサイモンとガーファンクルが学生時代に名乗っていたコンビ名。そして猫とネズミのトムとジェリーのアニメーション。1932年のアニメーション「トムとジェリー」は、サックス・セールスマンの青年コンビの漫画映画です。ケガをしている飼い犬はスヌーピーに似ているし、ミッキーマウスを思わせるネズミたちも出てきますよ。それにビールを飲む時にアップになった農夫は、ポパイにそっくり。
さて、1932年は昭和6、7年。世界恐慌が吹き荒れていました。不況の風は農業地帯でも同じ大変なもので、サックス売りの音楽なんて聴いていられる状況ではありません。でも、どうでしょう。彼らのジャジーな曲は、元気の無かった鶏に卵を産ませ、牛の乳搾りも楽しくします。モーツァルトを聴かせて美味しいトマトを・・・なんてことが、ジャズが産まれたばかりの頃にうたわれていたんですね。
すっかり気分がよくなって農夫にサックスを買ってもらうことが出来たのですが・・・ネズミはどんな最中でもたくましいというお話しでした。
猫とネズミの「トムとジェリー」との関係があったのでしょうか、ヴァン・バーレンのこのアニメーション。1950年代に「ディックとラリー」にタイトルが変わっています。