今、ドイツにどれくらいの「バッハ」さんが居るのかは知りませんけれども、バッハが活躍した時代には300人のバッハ姓の音楽家が居ました。音楽家の中で宮廷に使えたのはそのうちどのくらいの割合かはともかく、子どもたちが総て音楽家として各地の王侯のもとで活躍しバッハ自身も、トーマス教会のカントルと・・・当時の音楽家として最高権威と言っても良い地位に就いたので数多くいるバッハ一族の中でも、“J.S.バッハ”として格段特別に置かれているわけです。
バロックの森の10月第3週は、『バッハ一族の音楽』がテーマです。まずはヨハンとハインリヒの姉弟。弟ハインリヒの子供の、ヨハン・クリストフ(弟)、ヨハン・ミヒャエル(兄)の曲を聴いた最後に大バッハの、カンタータ第26番“ああ、いかに儚く、ああ、いかに虚しき”を聴きます。
だんだんとバッハ本人に繋がるというバッハ一族の本流をなぞる4人です。バッハの系譜は、1685年生まれのバッハから130年前に産まれたヴェイト・バッハという名前の粉ひき職人までたどることが出来ます。バッハという名前はドイツ語で“小川”を意味しますから粉ひきの仕事とゆかりがあります。この人物が“バッハ”姓を名乗っていたかは不明。当時は苗字よりも名前の方で呼ばれていたのですから、後々に“バッハ”を姓として名乗るようになったのでしょう。
そして、彼の息子ヨハネス(或いはハンスという名前)が粉ひきの仕事をしながら音楽の才覚を現します。この人物のところで最初の音楽家の一族の最初に当たるヨハンとハインリヒの兄弟が育つことになるのです。この兄弟が以後、ショパンが活躍した時代まで続くバッハ一族の音楽をはじめたのです。
「モテット“われらの命はひとつの影”」 ヨハン・バッハ作曲 (7分26秒)
(合唱)コレギウム・ヴォカーレ (演奏)
ロチェルカール・コンソート (指揮)
フィリップ・ヘレヴェヘ
「コラール前奏曲“われを憐れみたまえ、おお神なる主よ”」 ハインリヒ・バッハ作曲 (2分52秒)
(オルガン)フランツ・ハーゼルベック
<Hanssler 98.986>※現役盤不明
「前奏曲とフーガ 変ホ長調」 ヨハン・クリストフ・バッハ作曲 (5分13秒)
(オルガン)ウィルヘルム・クルムバッハ
<ワーナー WPCS-20000>※現役盤不明
「モテット“我は汝を離さず”」ヨハン・クリストフ・バッハ作曲 (3分31秒)
(合唱、オルガン)カントゥス・ケルン
(指揮)コンラート・ユングヘーネル
<BMG BVCD-35008 >※試聴有
「コラール前奏曲“いと高き神にのみ栄光あれ”」 ヨハン・ミヒャエル・バッハ作曲 (3分00秒)
(オルガン)ウィルヘルム・クルムバッハ
<ワーナー WPCS-20000>※現役盤不明
「モテット“汝の持つものを守れ”」 ヨハン・ミヒャエル・バッハ作曲 (4分47秒)
(合唱、オルガン)カントゥス・ケルン
(指揮)コンラート・ユングヘーネル
<BMG BVCD-35008 >※試聴有
「カンタータ第26番 “ああいかにはかなく、ああいかにむなしき”BWV26」 ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲 (15分22秒)
(ソプラノ)ジョアン・ラン
(カウンターテナー)ウィリアム・タワーズ
(テノール)ポール・アグニュー
(バス)ピーター・ハーヴィー
(合唱)モンテヴェルディ合唱団
(管弦楽)イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
(指揮)ジョン・エリオット・ガーディナー