年末は今年も《恒例の第9》。昭和10年、日本コロムビアの要請で録音セッションを快く受け入れたワインガルトナー指揮ウィーン・フィルの晴朗な響きを聞いて良い年を迎えましょう。ワインガルトナーの作り出した音楽は、双璧と言えるフルトヴェングラーのドイツ風の重厚さとは、好対照の優美に流れる《第9》。これがウィーン的なベートーヴェン。戦後のウィーン・フィルの音も素晴らしいものでは在るけれども戦前のウィーン・フィルのしなやかで柔らかい絹の肌触りのような美音は、8枚のSP盤の両面に刻まれた音の記憶として、永遠に聴かれ続けていくのでしょう。
第284回 蓄音器でレコードを楽しむコンサート。
日時:平成23年12月18日(日) 午後1時30分より
場所:熊本博物館 2階研修室。
第1部は、『ベートーヴェン作曲 交響曲第9番《合唱》』。
第2部は『ラジオ時代の歌』。
大正14年に始まった日本のラジオ放送は、終戦で新たなラジオ放送の時代を迎えました。茶箪笥やタンスの上に置かれたラジオから流れる寄席や浪曲・スポーツ中継・ドラマ・クイズ番組に耳を傾けた頃がありました。今回はテレビ放送時代に移る前の、昭和20年代から30年代初めにかけてラジオから生まれたヒット曲をお送り致します。
※毎月第4日曜日の開催ですが、今月は第3日曜日の開催となりますのでご注意ください。