<速報>カダフィ大佐拘束か
ロイター通信は20日、リビアの国民評議会の話として、リビアの最高指導者だったカダフィ大佐が同日、中部シルトで拘束されたと伝えた。中東の衛星テレビ、アルジャジーラは同日、反カダフィ派「国民評議会」が大佐の出身地、中部シルトが陥落したと報道、リビアの大規模デモ開始から約8カ月を経て、国民評議会の部隊がリビア全土を事実上制圧した。 (2011/10/20 20:34:46)
反カダフィ派の部隊は8月23日、大佐の住居がある首都トリポリの政権中枢バーブ・アジジヤ地区を制圧。大佐は同地区から逃亡し、カダフィ政権は事実上崩壊していたが、大佐の拘束により、約42年間にわたった独裁体制は事実上、幕を閉じた。
国内の一部拠点で抵抗を続けていた大佐支持派の攻撃は沈静に向かう公算が大きく、国民評議会は暫定政権樹立に向けた手続きを加速させる方針。新国家建設に向け、国民和解も重要な課題となる。
大佐の直系家族では、六男ハミース氏が戦闘で死亡、妻や長男らがアルジェリアに逃亡するなど、多くが死亡または国外逃亡している。
大佐は1942年、中部シルト生まれ。士官学校在学中に民族主義の将校団を組織し、27歳だった69年に無血クーデターで王制を打倒。以来、反米色の強い独裁体制を敷いてきた。2003年のイラク戦争開戦後は欧米諸国に歩み寄ったが、国内では強権的支配を続け、チュニジア、エジプトの政変を受けて2月以降にリビアで反体制デモが起きると、徹底的に弾圧した。