音は堅くて雑味が出てきた – iTunesのアップデート 10.4.1 にしての感想 起動も速くなりました。

曲は「チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 」、演奏はアンネ・ゾフィー・ムターのヴァイオリン。カラヤンの伴奏ではなく元夫婦だったアンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル。全体のトーンは堅く、ウィーン・フィルの艶やかさは後退する。ロンドン・フィルだったかしらとCDのフロントを確認してしまったほど。ウィーン楽友協会での録音だとは思うけれども、ライヴ録音がソースだったのかアンネ・ゾフィー・ムターのヴァイオリンの音色には芯のある腰の強さは感じられないのはやむを得ないところだけれども、色っぽさが抜けていて女性のくびれを思わせるエロティックなしなりの要素となっていたと思われる隣り合わせの弦のきしみが、何か長袖のドレスを着ていてその袖崎が触れてでも発したような雑味に聴こえました。

(2011-08-24_20

夜にiTunesのアップデートがあった。その時ちょうど聴いていた音楽がmp3化されたムターのチャイコフスキーでしたから、アップデートを済ませた後にも同じ音源を聴いて比べてみました。

iTunes 10.4.1 の新機能

iTunes 10.4 OS X Lion 向けに改良されました。iTunes OS X Lion の新しいフルスクリーンアプリケーション機能に対応しました。この機能を使うと、iTunes などのアプリケーションを画面いっぱいに広げて使うことができます。ほかのフルスクリーンアプリケーションへは、ジェスチャを使って簡単に切り替えることができます。

iTunes 10.4.1 では、以下を含む様々な機能が向上しています:

  • 一部の他社製キーボードで、メディアキーが iTunes で正しく動作しない問題を修正
  • 曲やビデオにアートワークを追加できない問題を修正
  • HD 映画購入時に iTunes が応答しなくなる問題を修正
  • Mac のスリープ解除時に、iTunes が開くまでに時間がかかる問題を修正
  • VoiceOver サポートに関する問題を修正

(2011-08-24_20

mp3でもとより厚みは薄くてムターのヴァイオリンは甲高く聴こえていました。mp3なのでホールの響きは望めない。BGMとしては角が取れているのですが、しっかり聴こうとする時にはドシッとくる物が無い。実態の無い池の水面の陰のよう。目の前で演奏されているのを聴いていると言うよりも、コンサート会場の扉の外の待合ホールに漏れてくる演奏といえる音。存在は無くてもそこにあるように見せる効果が、今回の iTunes 10.4.1 のアップデートは出そうとしているようです。

デジタルはピュアでクリア、それを透明感だと受け止める向きもあるけれども音の通りとは音量とは関係ないものです。mp3は余分だと思う音を整理しているものです。アナログをデジタルにリマスタリングする時にもそうした雑感を消すことが進められました。

(2011-08-24_20

古い映画のフィルムの傷を取り去る処理と同じですが、先日観た「雨月物語」は聞き取りやすくサウンドトラックのクリアか、映像の色味の修復は行われていたけれども、傷は残して時代感の幻想と化していました。意図して行われたのかは知りませんが、これには感心しました。

(2011-08-24_20

実際の演奏会の音は小さな音でも遠くまで通る。様々な雑音が一緒に発生しているのにです。空気感とオーディオファイルが言うところはそこ。わたしが望んでいるのは、iTunesで直接flac、apeが再生できるようになると良いのかもしれないけれども、それまではWAVEやaifで聴く。