古楽の楽しみ -18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家-(2) 天使か悪魔か、教会音楽史に唐突に舞い降りたような鬼才

悪魔のトリル・・・このタイトルは、曲は聴いたことがないけどフレーズとして頭の何処かにあるって人は少なくないでしょう。もしかしたら実際の曲以上に凄いイメージに膨らんでいるかもしれませんね。確か小学生の頃に読んだマンガに似たようなタイトルであったように思います。山岸凉子・・・じゃなかったか?

ドゥランテが教会音楽で名を広めた音楽家であるならば、器楽曲の鬼才は《悪魔のトリル》を作曲したタルティーニでしょう。ヴァイオリン協奏曲の終楽章が余りにもエキセントリックで、そのフレーズを悪魔に教わったというエピソードがある曲です。夢の中に悪魔が出てきて、けして人に聞かせてはいけないと弾いた曲を楽譜に残したとか。わたしはこの話と、落語の『死に神』が重なって仕方がありません。SPレコードに録音が少なくないことから、作曲されてからずっとクラシックの寝物語に残り続けてきたのでしょうね。

8007144606138

CD: Tartini: the Violin Concertos

古楽の楽しみ -18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家-(2) 7月26日放送

解説:今谷和徳
– 18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家 -(2)

「バイオリン協奏曲 イ長調 D.108」 タルティーニ作曲  (9分24秒)

(バイオリン)フェデリコ・グリエルモ
(演奏)ラルテ・デラルコ
(バイオリン、指揮)ジョヴァンニ・グリエルモ
Dynamic CDS 613/1-2

「モテット“主よ、わたしはあなたに感謝します”から」  ガルッピ作曲

  • 第1曲~第4曲 (12分46秒)
  • 第9曲~第12曲 (10分57秒)

(ソプラノ)ヴェロニク・ジャンス
(カウンターテナー)ジェラール・レーヌ
(バス)ピーター・ハーヴィー
(演奏)エル・セミナリオ・ムジカーレ
Virgin classics VC 5 45030 2

「バイオリン協奏曲 ハ長調 D.12」 タルティーニ作曲  (14分38秒)

(演奏)ラルテ・デラルコ
(バイオリン、指揮)ジョヴァンニ・グリエルモ
Dynamic CDS 613/1-2