海老天丼の夕食を済ませてから、テレビで映画を観ました。地上波RKK熊本放送で、2005年に日本公開、DVDリリースされたアメリカ作品「炎のメモリアル Ladder 49」( http://amzn.to/hwKHWz )が、パジャマでシネマで放送されていました。「9.11同時多発テロの現場で英雄的な活躍を繰り広げた消防士たち。彼らに、心からのリスペクトを捧げたい。そんな純粋な思いから、1本の傑作映画が誕生した・・・」と云う番組解説を早とちり。9.11が起こるまでの前経過?9.11で活躍した消防師さんの活動を描いている映画と思って観ていました。
炎のメモリアル プレミアム・エディション [DVD] 評価:★★★★
身体中に大やけどを負ったものの、死んだ人の皮膚を移植して貰って「かろうじて死は免れたよ」とベッドで主人公の親友が本音を続けます。子供には見舞いに来させたくない。子供たちにとって自分は英雄なので、今の姿を見せたくない。いっそのこと現場で死んでしまっていた方が良かった。
自分の思うように動けない身体で居る事は、どれほどの苦痛でしょう。いらだちだって表現できないのですからね。
消防士の本音、しっかりでていました。出動した後、子供を見守りながら夫の帰りを待つ若妻の胸の内、ジンと受け止める事が出来ました。
「あなたが去ったその後でも、わたしが道に迷った時には耀く光で、行くべき道を見失わないように生き続ける勇気を与えて欲しい。」エンディングの主題歌の歌詞は、この映画が消防士のヒューマンドラマの形をとってはいるものの、銃後を護る防衛隊員と家族の映画に移し替えて鑑賞する事も可能なものだと感じさせてくれました。
日本語吹き替え版も、平易な言葉でとても分かり易い出来です。最近何故か日本語吹き替え版でも、いったんシーンのやりとりを反芻して整理しないと先へ進めないような映画が少なくありません。字幕をひたすら追っかけるばかりで、映像の楽しみを半減させてしまっている映画も少なくないと思います。作品として記憶にとどまる映画にはならないと思うけれども、心にしっかり着床しました。
番組解説の「9.11…」無しで充分に観た人の心には残る映画です。むしろ作品にとってはない方が良いんじゃないかしら。でも、それでは注目させにくそうな映画とも居ますね。ともかくも感心するのが群像映画をアメリカは上手く撮るなあ、と云う事です。日本だとプライヴェートにとどまってしまいそう。それに若妻など脇の締め付けは上手くて、涙ぽろぽろ、手に汗握る映画ではなくてもグッと来るものをグィッと押し込んでくれています。評価:★★★★