孤独の中より生み出された真摯で高貴な、そして純粋な魂の結晶。シューマンは生涯に3つのヴァイオリン・ソナタを書きました。なぜだか生前に出版されることなく、今以て作品の認知度はどの程度のものなのかしら。生誕200年を記念に行われた昨年10月の漆原朝子さんの全曲演奏会は、2010年に行われた日本国内でのクラシックコンサートでも屈指の記録を残しました。成人の日に放送されることは意義深いことで、想い出に残る放送になる事でしょう。
わたし個人的な思いですが、今年成人を迎えられる若い人。そして、まだまだクラシック音楽は良く分からないけれども今年から身を入れて聞いてみたいなぁ、という新しいクラシック音楽愛好家に楽しんで頂きたい演奏会の放送です。初心者のためにという事ではなくて、クラシック音楽の楽しみへの足掛かりにして欲しい、今回の放送を聞いて馴染まないと思うリスナーが出てくることは確かです。クラシック音楽を継続して愛好していて5年、10年先に「あっ」と気がつく演奏になっていることでしょう。他の演奏家で聞いてみたいと思うようになったら、それほど有り難いと思えることはありません。
- 漆原朝子、ベリー・スナイダー
「バイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 作品105」
シューマン バイオリン・ソナタ 全曲演奏会 -
シューマン作曲
(17分08秒)
「バイオリン・ソナタ 第3番 イ短調」 シューマン作曲
(18分50秒)
「3つのロマンス 作品94」 シューマン作曲
(10分30秒)
「バイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 作品121」
シューマン作曲
(27分50秒)
「“森の風景”から“予言の鳥”」 シューマン作曲
(2分55秒)
「“F.A.Eソナタ”から 第3楽章“スケルツォ”」
ブラームス作曲
(5分10秒)
(バイオリン)漆原朝子
(ピアノ)ベリー・スナイダー
~東京文化会館で収録~
<2010/10/18>via cgi4.nhk.or.jp