●音楽を聴くという原点に回帰
今回のnanoには、前モデルから搭載しているFMラジオや歩数計も組み込んだ。また、ディスプレイの大きさが男性用腕時計の文字盤と同程度の大きさであることからか、アナログ時計機能も新たに搭載。また、これまでshuffleのみに採用していたクリップを初めて備え、ポケットの少ない服を着ることが多い女性の使い勝手を向上させた。
一方、動画の撮影や閲覧機能、ゲーム機能などはすっぱりと削ぎ落とされ、お世辞にも音がいいとはいえなかった内蔵スピーカーもなくなった。四六時中操作をするデバイスではなく、純粋に音楽を楽しんだり、フィットネスに利用したりする用途に特化し、ときどき写真なども楽しめるという、音楽プレーヤーの原点に回帰したモデル、ということができそうだ。
今回のiPodのラインアップでは、ゲームや動画など、多機能端末としての用途はtouchに任せ、音楽中心の用途はnanoとshuffleで引き受けるという具合に、用途を整理した。
nanoはマルチタッチディスプレイを採用していることから、OSはiOSを搭載しているのではないかとの期待もあったが、これは外れに終わった。したがって、今のところアプリケーションを購入して増やしたりすることはできないようだ。
携帯の機種については疎いので、携帯電話だったと思いますけど1日の夜、バスを待っていたらiPhoneより小型のツールを操っている女性がベンチに座っていました。
ああ、良いなあ。と思って観ていました。
メール受信とWeb閲覧といった通信機能に絞って携帯できる、ノートパソコンとしてiPhoneは機能的すぎると思えるほど充実しています。但し、ここにiPadが参入してくるとiPhoneはコンパクトになってくれると良いなあ、と感じていました。
iPhoneやiPadで音楽を“鑑賞”しようとは、わたしはどうも思えないし、空き時間に思いついたときにガレージバンドでも起動できるものであって欲しいと思っています。
そこで今回のiPod。電話としては認められないとしても“WiFiを使ったビデオ通話が可能になり”活用の可能性が見えてきたように思います。
iTunesを経由してモバイルミーに音声を保存できるようになると、留守番メッセージにも使える。電話サービスを利用したり、YOUTUBEに動画を公開しなくてもモバイルミーで見聞きして貰えるようになると自分で情報を管理する意識は、あてどなく“垂れ流し”ているのではなくて形がハッキリ見えてくるのではないでしょうか。
iPodが誕生した意味が、ここに来て意味を見いだそうとしているのではないかしら。Webを観たり本を読むのはiPad向きだと思えるのです。